データCADとフレームワークの対応表
データCADの属性・ビュー・出力は、データマネジメントの知識体系(DAMA-DMBOK2)、エンタープライズアーキテクチャ(TOGAF・ArchiMate)とイベント駆動アーキテクチャ、情報セキュリティ(ISO/IEC 27001・NIST CSF 2.0・SCS評価制度)、プライバシー(個人情報保護法・GDPR・CCPA/CPRA)、AIガバナンス(EU AI法・NIST AI RMF)、事業継続(ISO 22301)と移行計画(TOGAF Phase E/F)、そしてW3Cのメタデータ・オントロジー標準に対応しています。ワークショップで描いた図面が、そのまま各フレームワークの成果物になります。
DAMA-DMBOK2(11の知識領域)
データガバナンスを中心とした11領域。診断ビューでは各領域の成熟度(0〜5)を現状・目標で入力し、レーダーで差を確認できます。
| 知識領域 | データCADでできること |
|---|---|
| データガバナンス | データオーナー(責任部門)・スチュワード・カストディアンの3役割。「責任部門がない」「マスタにスチュワードがいない」を自動検知 |
| データアーキテクチャ | 業務×部門×システムの3軸でデータの所在を構造化。TOGAFのデータ・マトリクスを自動生成 |
| データモデリングとデザイン | 業務用語集(概念レベルの定義・同義語・上位概念)と、データ種別(マスタ/参照/トランザクション/分析/文書/メタデータ) |
| データストレージとオペレーション | システム種類(SaaS・クラウド・オンプレ・端末・AI・紙・人)、保管国、保存期間・廃棄ルール |
| データセキュリティ | 4段階の分類、C/I/A評価、物理分離、生成AIでの利用可否。部門×システムの機微データ集中マップ |
| データ統合と相互運用性 | 所在ごとのCRUD。作成点のないデータ(出所不明)や、複数システムでの作成(二重入力)を検知 |
| ドキュメントとコンテンツ管理 | 紙・人の記憶も「システム」として描ける。属人化・紙だけのデータを検知 |
| 参照データとマスターデータ | マスタ・参照データを識別し、Single Source of Truth が崩れている所を検知 |
| データウェアハウジングとBI | 分析データとデータプロダクト(データメッシュ)を区別して記録 |
| メタデータ管理 | 図面そのものがビジネス・技術メタデータ。DCAT・SKOS準拠で出力し、台帳の記入率を測定 |
| データ品質 | 完全性・正確性・一貫性・適時性・妥当性・一意性の6次元を1〜5で評価。低評価を所見に |
TOGAF(ADM とアーキテクチャ成果物)
業務・データ・アプリケーションの3つのアーキテクチャ領域と、ベースライン→ターゲットの移行計画を1枚の図面で扱います。
| TOGAF | データCADでの表現 |
|---|---|
| Phase B ビジネスアーキテクチャ | 業務プロセス軸(業務機能=ケイパビリティでグループ化)と部門軸 |
| Phase C データアーキテクチャ | Data Entity / Business Function マトリクス(CRUD)、データ×部門マトリクス |
| Phase C アプリケーションアーキテクチャ | システム軸と Application / Data マトリクス、システム間連携(Application Interaction)マトリクス |
| Phase D テクノロジーアーキテクチャ | 技術基盤(クラウド・SaaS・データセンター・ネットワーク・ブローカー)を3Dの土台として描き、Application / Technology マトリクスを生成 |
| BDAT の4層ビュー(EAビュー) | ビジネス・データ・アプリケーション・テクノロジーを層で並べ、要素を選ぶと層をまたいでつながる要素をたどる(影響範囲の分析) |
| ArchiMate 3.1 | The Open Group の Model Exchange 形式で出力。Archi などで BDAT ビューが開く(業務プロセス・アクター・データオブジェクト・アプリケーション・ノード・イベント) |
| Data Security Diagram | 分類・物理分離・AI利用可否と、部門×システムの機微データ集中マップ |
| ベースライン/ターゲット | 期間(As-Is → 移行期 → To-Be)を時系列ダイヤルで切り替え |
| ギャップ分析 | 比較モードと、追加・廃止されるシステム、移るデータの一覧(Excel・Markdownにも出力) |
| Phase E/F 移行計画 | 移行先のないデータ(移行漏れ)を自動検知。ワークパッケージ・更改・保守期限は「時間軸と依存関係」へ |
ISMS(ISO/IEC 27001)と個人情報保護法
Excel出力の「情報資産台帳」シートは、そのまま情報資産の目録として使えます。診断は次の規定を根拠に所見を出します。
| 根拠 | データCADでの扱い |
|---|---|
| ISO/IEC 27001 A.5.9 情報資産の目録 | 1行1データの情報資産台帳(オーナー・C/I/A・保管場所・保存期間) |
| ISO/IEC 27001 A.5.12 情報の分類 | 公開/社内/機密/極秘。個人情報を「公開」にしていないかを検知 |
| 個人情報保護法 第2条3項(要配慮個人情報) | 法令タグと分類の整合を確認 |
| 個人情報保護法 第18条(利用目的) | 個人情報がAIシステムで扱われている所を検知 |
| 個人情報保護法 第22条(不要時の消去) | 保存期間が決まっていない個人情報を検知 |
| 個人情報保護法 第28条(外国にある第三者への提供) | 国外のシステムにある個人情報を検知 |
| 番号法・電子帳簿保存法・J-SOX・営業秘密・輸出管理 | 法令タグとして記録し、AI利用可否の自動判定に反映 |
イベント駆動アーキテクチャ(EDA)
システム間の連携を「イベント(非同期の発行・購読)」「API」「バッチ」「ファイル」「手作業」で描きます。3Dでは光の粒が流れ、ブローカー経由のイベントは建物の上のイベントバスを通ります。
| 観点 | データCADでの扱い |
|---|---|
| プロデューサー/コンシューマー | 発行元と受け手のシステム(業務も指定可)。受け手に所在が描かれていないデータを検知し、ワンクリックで所在を追加 |
| イベントブローカー | Kafka・EventBridge・Pub/Sub などを技術基盤(ブローカー)として描き、経由する連携をまとめて表示 |
| イベントの種類 | ドメインイベント・統合イベント・通知・変更データ取得(CDC)・コマンド、配信保証(最大1回/少なくとも1回/正確に1回) |
| AsyncAPI 3.0 | イベントの連携をチャネル(トピック)・発行/購読の操作・メッセージとして出力。ペイロードは運ぶデータの中身のモデルから |
| CloudEvents | メッセージに type(トピック)と source(発行元)を付与 |
| データコントラクト | スキーマのないイベントを検知(ODCS・スキーマレジストリでの管理を促す) |
| 越境・AIの判定 | 連携で渡る先も所在とみなして、個人情報の国外移転・AIへの投入を点検 |
時間軸と依存関係(TOGAF Phase E/F・ArchiMate 実装と移行)
期間に年月を付け、システムの更改・保守期限・移行のワークパッケージ・業務の前提を記録すると、時間軸ビューで依存関係と矛盾が見え、診断・出力に反映されます。
| 観点 | データCADでの表現 |
|---|---|
| Plateau(期間) | As-Is → 移行期 → To-Be の各期間に開始・終了の年月。時間軸ビューの目盛り、保守期限・日程の突き合わせに使う(OWL-Time の time:hasBeginning / hasEnd で出力) |
| Work Package(ワークパッケージ) | 導入・更改・廃止・データ移行・統合・業務改革の計画。日程・状況・責任部門・到達する期間・対象(システム・業務・データ・拠点・技術基盤) |
| 先行関係(finish-to-start) | 「先に終わっている必要がある」ワークパッケージ。先行より先に始まる計画を矛盾として指摘。循環は自動で断つ |
| 更改(置き換え元) | 新システムが引き継ぐ旧システム。新旧の空白(サービス断)・長い並行稼働・置き換え先に載っていないデータ・後継のない廃止を点検 |
| 保守期限(EOL) | システム・技術基盤の保守期限。期限を過ぎて使う計画、期限切れのまま稼働中を指摘(NIST CSF ID.AM-08・PR.PS-02、SCS「攻撃等の防御」) |
| 業務の前提(依存関係) | 業務 → 業務の前提。その時点で前提の業務がなくなる矛盾を検知。依存のトレースで上流(依存している先)・下流(影響する先)をたどる |
| 連携の存在期間 | 連携の相手が導入前・廃止後になっている期間を検知(ID.AM-03 データの流れ) |
| 変更の集中 | 期間の切り替わりで、ひとつの業務が使うシステムが3つ以上入れ替わる時期を指摘(ITIL 変更管理・段階的な切り替え) |
| ArchiMate の Implementation & Migration | Plateau・Work Package・Deliverable と Triggering(先行)・Realization(到達)・Aggregation(期間に存在するシステム)で出力 |
拠点・地域と事業継続(W3C ORG Site・ISO 22301)
本社・工場・データセンター・クラウドのリージョン・自宅などを拠点として描き、部門・システム・技術基盤を割り当てると、データの物理的な所在が地図に出て、1拠点への集中や閉鎖の影響を点検できます。
| 観点 | データCADでの表現 |
|---|---|
| 拠点(org:Site) | 種類(本社・事業所・工場・倉庫・店舗・データセンター・クラウドのリージョン・施設・自宅)、国、地域名、座標(市区町村程度の粗さ。W3C Basic Geo の geo:lat / geo:long で出力)、開設・閉鎖の期間 |
| 物理的な所在の決め方 | システムの拠点 → 技術基盤の拠点 → 紙・人・端末・自社サーバは部門の拠点。保管国(越境の判定)も拠点の国から補う |
| 地図ビュー | 拠点ごとのデータ量・分類の内訳・個人情報・極秘・止まると困るデータ、拠点をまたぐ連携、個人情報の越境(赤い破線)。期間を再生して移転を見る |
| ISO 22301 8.4・NIST CSF RC.RP・SCS「復旧」 | 可用性3またはマスタのデータが1拠点にしかない、バックアップ・代替拠点が本体と同じ拠点、を所見に |
| 拠点の閉鎖・開設 | 閉鎖した(開設前の)拠点にシステム・部門・技術基盤が残っている時期を検知 |
| 医療・自治体の要求 | 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(非常時の事業継続)、地方公共団体の ICT-BCP を準拠ビューの適用判定に表示 |
| ArchiMate の Location | 拠点を Location として出力し、部門・システム・技術基盤を Aggregation で結ぶ。バックアップ拠点は Association |
| プライバシーへの配慮 | 番地・建物は持たない(座標は約100mに丸めて保存)。家庭では市区町村より細かい場所を書かない |
予算策定と投資対効果(TCO・NPV・ROI・TBM)
システム・技術基盤の年間の運用費と、ワークパッケージの一時費用・効果を入れると、時間軸(As-Is → To-Be)に沿って年度別の予算と、「何もしない場合」と比べた投資対効果を計算します。
| 考え方 | データCADでは |
|---|---|
| TCO(総保有コスト) | ライセンス・基盤・保守運用・社内工数(人月×単価)を年額で。期間の年月に沿って、システムが動いている月だけ計上(物価上昇率を反映) |
| Run / Change(TBM・IT予算の区分) | 運用(システム・技術基盤)と変革(ワークパッケージ)を分けた予算表。会計年度の開始月を選べ、Excel に貼れる形でコピー |
| 何もしない場合(ベースライン) | As-Is のシステムを使い続けた場合。保守期限(EOL)の後は延長保守の割増を上乗せ。計画との差が運用費の削減 |
| 支出ベースと損益ベース | 資産計上する開発・導入費は、稼働の翌月から償却年数(既定5年:自社利用ソフトウェア)で定額償却した損益ベースでも表示 |
| NPV・IRR・回収期間 | 年度ごとの正味(効果 − 投資)を割引率で現在価値に。累積がプラスに戻る月を回収とし、ワークパッケージ別にも計算 |
| 効果の確度 | 業務効率化(時間×単価)・コスト削減・収益・リスク低減を、確度(高・中・低)とシナリオ(保守的・標準・楽観的)で割り引く |
| リスク低減(ALE) | 診断の所見1件あたりの年間期待損失を決めると、As-Is から所見が減った分をリスク低減の効果として数える |
| シナリオと感度分析 | 計画の遅れ(旧システムが長く動き、効果も遅れる)・投資の上振れ・為替(外貨建ての割合)・物価・割引率を動かし、NPV が動く幅をトルネード図で比較 |
| データの保有コスト(DMBOK のデータの価値) | 運用費を所在に配賦し、データ・ドメインごとに「持つのにいくらかかっているか」を As-Is と To-Be で比較 |
| 出力 | Excel に「予算(年度別)」「投資対効果」シート、Markdown(AI用)に予算と投資対効果の節。API:/api/models/<slug>/finance |
文書からの自動作図(AI)
業務マニュアル・業務フロー・情報資産台帳・システム一覧・CRUD 表・設計書(CREATE TABLE)をまとめて入れると、業務 × 部門 × システム × データの図面を起こします。すべての候補に根拠(ファイル・場所・引用)が付き、採否を選んでから反映します。
| 考え方 | データCADでは |
|---|---|
| 決まった形はルールで | 台帳・一覧は見出しの言い換えを自動で判別(見出し行が1行目でなくても可)。1セルに複数の部門・システムがあれば分ける。CRUD マトリクス・CREATE TABLE・基盤メタデータもルールで読む(確度:高) |
| 自由な文章は AI で | マニュアル・業務フローの本文と形の分からない表は Claude が読み、業務・部門・システム(紙・人の記憶も)・データ・所在(CRUD)・連携・用語・確認したい点を、原文の引用つきで返す。AI を使わない場合は語の形と動詞で拾う(確度:低) |
| 名寄せと照合 | 「〜システム」「〜部」の有無・括弧書きを同じとみなし、AI で略称・別名(SFA と Salesforce など)をまとめる。今の図面に同じ名前があれば照合し、空いている項目だけを埋める |
| 未確認の明示 | 業務・部門・保管場所が文書から分からないデータは「未確認」の項目に置く。3D で穴が見え、診断にも「所在を特定できなかった」と出る |
| 確認したい点(ヒアリング項目) | 文書間の食い違い(責任部門・分類)、手作業の転記、どこにも書かれていない作成元などをまとめ、Markdown で保存できる |
| トレーサビリティ(DMBOK メタデータ) | 反映した項目は根拠と確度を持ち、右パネルで確認済みにできる。Excel に「自動作図の根拠」シート、診断に「根拠が弱い(要確認)」 |
| 個人情報の扱い | 文書は保存しない。AI に送る前にメール・電話番号・12桁の番号・郵便番号を伏せ、名簿・顧客一覧のような表は見出しだけを送る |
攻撃シミュレーション(MITRE ATT&CK・ATLAS)
描いた部門・システム・技術基盤・連携・委託先と、記入した対策から攻撃グラフを組み、7つの典型的な攻撃が侵入口からどこまで広がり、どのデータが持ち出され(暗号化され)、どの業務が止まり、どこで検知できるかを3Dで再生します。
| 考え方 | データCADでは |
|---|---|
| 攻撃グラフ | 部門(人と認証情報)・システム・技術基盤・委託先をノード、ログイン・端末の乗っ取り・連携・基盤の共有を辺にし、辺ごとの通りやすさを対策で下げる(例:多要素認証があれば盗んだパスワードでのログインは 0.15 倍)。複数の経路は「どれか1つでも通る」確率にまとめる |
| 7つのシナリオ | ランサムウェア・標的型メール・取引先経由・内部不正・端末の紛失・クラウドの設定ミス・生成AIへのプロンプトインジェクション。侵入口は指定しなければ被害が最も大きいものを自動で選ぶ |
| MITRE ATT&CK(Enterprise) | 経路の一歩ごとに戦術(初期アクセス・認証情報・横展開・収集・持ち出し・影響)と技術の ID(T1566・T1078・T1021・T1486 など)を表示 |
| MITRE ATLAS(AI) | AIへの攻撃は AML.T0051(プロンプトインジェクション)・AML.T0057(LLM からのデータ漏えい)。AIに渡る連携のデータも漏えいの対象 |
| 検知と封じ込め | EDR(1時間)・ログ監視(6時間)のあるシステムに届いた時点で検知し、その8時間後より先への広がりを抑える。どこにも無ければ「検知できない」 |
| 復旧と業務の停止 | 暗号化されたシステムで作成・更新している業務が止まる。代替(DR)拠点・バックアップ・「バックアップも狙われる」(同じ基盤が乗っ取られる)・バックアップなしで復旧の目安を分ける |
| 物理分離の効果 | 紙・金庫・人の記憶だけにある物理分離のデータには、内部不正以外の攻撃は届かない(3Dで盾を表示) |
| 対策の効果(NIST CSF 2.0) | 多要素認証 PR.AA-03・暗号化 PR.DS-01・バックアップ PR.DS-11・ログ PR.PS-04・EDR DE.CM-09・パッチ PR.PS-02・アクセス権の棚卸し PR.AA-05・DLP を、仮に全システムへ入れた場合の被害の減りで順位づけ |
| 出力 | Excel に「攻撃シミュレーション」(全シナリオの比較と経路)、Markdown(AI用)に想定被害の表。API:/api/models/<slug>/attack(scenario=all で比較) |
NIST CSF 2.0 と SCS評価制度(★3・★4)
システムごとの対策(多要素認証・暗号化・バックアップ・ログ・EDR・パッチ・アクセス権の棚卸し・DLP・委託契約)を記録すると、機微なデータのあるシステムで足りない対策を所見にします。所見は NIST CSF 2.0 の機能と、経済産業省の SCS評価制度の7領域に対応づけます。
| NIST CSF 2.0 / SCS評価制度 | データCADでの扱い |
|---|---|
| GV 統治 / ガバナンスの整備 | データオーナー・ドメインオーナーの不在を検知。自己評価(ティア1〜4)を現状・目標で入力 |
| GV.SC サプライチェーン / 取引先管理 | システムの提供事業者・委託先を記録。個人情報を預けているのに委託契約(DPA)がない所を検知 |
| ID 識別 / リスクの特定 | 情報資産台帳・C/I/A・技術基盤の未設定・対策の未記入を検知 |
| PR 防御 / 攻撃等の防御 | 多要素認証・暗号化・脆弱性対応の不足、物理分離すべきデータの共有基盤への配置 |
| DE 検知 / 攻撃等の検知 | ログ・監視、端末のEDRの不足 |
| RC 復旧 / インシデントからの復旧 | 正を持つシステムのバックアップの不足、人の記憶にしかないデータ |
| SCS評価制度の段階 | ★3(自己評価+確認、有効1年)・★4(第三者評価、有効3年)の目標を設定。2026年8月に基本規程が施行、申請受付は2026年度末頃の予定 |
個人情報保護法・GDPR・CCPA/CPRA・NIST Privacy Framework
データごとに本人のいる国・地域、利用目的、適法根拠、販売・共有、子どもの情報、影響評価の実施を記録し、処理活動の記録(RoPA)を自動で作ります。
| 根拠 | データCADでの扱い |
|---|---|
| 個人情報保護法 第17条・第18条 | 利用目的の未記入、個人情報のAIでの取り扱いを検知 |
| 個人情報保護法 第25条・第28条 | 委託先の監督(委託契約)、外国にある第三者への提供(保管国・連携先で判定) |
| GDPR 第6条・第30条・第35条 | EUの本人のデータの適法根拠、処理活動の記録、DPIA が必要そうな処理(特別な種類・子ども・AI) |
| GDPR 第44〜49条 | 十分性認定のない国(米国は DPF 認証の確認)にあるEUの個人データを検知 |
| CCPA/CPRA・CPPA 規則 | 販売・共有のオプトアウト、センシティブ個人情報の利用制限、リスク評価(2026年1月から) |
| NIST Privacy Framework | 所見を Identify-P/Govern-P/Control-P/Communicate-P/Protect-P に対応づけ |
AIガバナンス(EU AI法・NIST AI RMF・AI推進法)
AIシステムごとに用途・リスク区分・役割・人による監視・告知・影響評価を記録し、AIシステム台帳と主な義務・期日を出します。
| 根拠 | データCADでの扱い |
|---|---|
| EU AI法 リスク区分 | 用途(採用・与信・教育・公共サービスなど附属書IIIの領域)から高リスクを推定。禁止・限定(透明性)・最小も選べる |
| EU AI法 第14条・第26条・第27条 | 高リスクAIの人による監視・導入者の義務・基本権影響評価。附属書IIIは Digital Omnibus により2027年12月から |
| EU AI法 第50条 | 人と対話する・コンテンツを生成するAIの告知と表示(2026年8月から) |
| CCPA ADMT(CPPA 規則) | 重要な決定(雇用・金融・教育・医療)の自動化。事前通知・オプトアウト・リスク評価(2027年1月から) |
| NIST AI RMF 1.0 | GOVERN/MAP/MEASURE/MANAGE の自己評価と、所見の対応づけ |
| AI推進法・AI事業者ガイドライン | AIを活用する事業者としての指針。AI利用禁止のデータがAIに渡る経路(所在・連携)を検知 |
メタデータ・オントロジー標準(W3C ほか)
AI用の出力は独自形式に閉じず、標準語彙に接続しています。社内のデータカタログやナレッジグラフに、そのまま取り込めます。
| 標準 | 使い方 |
|---|---|
| DCAT 3 | データ資産は dcat:Dataset の下位クラス。業務用語は dcat:theme で結ぶ |
| W3C Organization Ontology | 部門は org:OrganizationalUnit、組織は org:Organization の下位クラス |
| SKOS | 業務用語集を skos:ConceptScheme / skos:Concept(定義・同義語・上位概念)で出力 |
| OWL-Time | 期間は time:ProperInterval。各要素に有効期間(validFrom / validTo) |
| DPV(Data Privacy Vocabulary) | 個人情報フラグを dpv:PersonalData に関連付け |
| CSVW | 中身のモデルのエンティティ・項目は csvw:Table / csvw:Column を参照(dcad:Entity / dcad:Attribute) |
| SHACL / SHACL-SPARQL | 物理分離・AI禁止・個人情報の公開禁止・越境移転などのガードレールを機械検証できるシェイプとして出力 |
| JSON-LD・RDF Turtle・OWL | ナレッジグラフ・RAGのメタデータ・トリプルストアに投入 |
| プロパティグラフ(Cypher) | Neo4j などに投入し、GraphRAG の土台に。MERGE なので何度でも流せる |
これからのデータマネジメント
生成AI時代のデータ管理で求められる考え方を、図面の属性として持っています。
| 考え方 | データCADでの表現 |
|---|---|
| AIガバナンス(AI事業者ガイドライン) | データごとの生成AI利用可否(利用可/マスキングして可/禁止)を、分類・法令から自動判定し、AI用出力のガードレールに反映 |
| 人間中心のデータ管理 | 共有基盤・AIから切り離して紙・金庫・人で守るデータを「物理分離」として明示 |
| データメッシュ(ドメインオーナーシップ) | データドメインを3Dのバブルで描き、ドメインオーナー・種別(ソース整列/集約/利用者整列)を記録。責任部門が品質を保証して公開する「データプロダクト」も印を付けられる |
| ドメイン駆動設計(DDD) | 境界づけられたコンテキストとしてのドメイン。コア/支援/汎用のサブドメイン区分と入れ子(バブルの中のバブル) |
| データコントラクト(ODCS v3) | 中身のモデル(スキーマ)・分類・AI利用可否・責任部門から Open Data Contract Standard の YAML を自動生成 |
| アクティブメタデータ | 保存済みの図面はURLで常に最新の診断・出力を取得でき、AIエージェントから直接参照できる |
データモデリングと基盤メタデータ
データ(キューブ)の中に、エンティティ・項目・キー・つながりのモデルを持てます。3Dで拡大すると中が見え、データ辞書(Excel)・Turtle・Cypher・データコントラクトにそのまま出力されます。
| 考え方・基盤 | データCADでできること |
|---|---|
| 概念・論理・物理モデル(DMBOK 5) | モデルごとに抽象度を記録。物理名と論理名(日英)、型、主キー・外部キー・業務キー、必須、個人情報の印 |
| リレーショナル(ER) | 外部キーからつながりを自動で引き、キューブの中で関係のばねモデルとして配置 |
| ディメンショナル(Kimball のスター) | ファクトを中央、ディメンションを周りに置いて表示。会計・販売分析のデータマートに |
| Data Vault 2.0 | ハブ・リンク・サテライトを定石どおりに配置。監査可能な統合層の設計に |
| ドキュメント・イベント | FHIR リソースや JSON、ログ・IoT のイベントモデル(病院テンプレートは FHIR R4 の主要リソース) |
| Microsoft Fabric / Power BI | TMDL(PBIP・Fabric の Git 連携)、model.bim(TMSL)、管理 API(Scanner)からテーブル・列・メジャー・リレーションを取り込み(Pro) |
| AWS・Google Cloud | AWS Glue Data Catalog(get-tables)、Amazon Redshift、BigQuery(テーブル JSON・INFORMATION_SCHEMA)から取り込み(Pro) |
| Snowflake・Databricks・dbt | INFORMATION_SCHEMA.COLUMNS・GET_DDL・Unity Catalog、dbt の manifest.json(説明・テスト・制約)から取り込み(Pro) |
| 個人情報の自動検出 | 列名・コメントから個人情報・要配慮個人情報・マイナンバーらしき項目を見つけ、データの印・AI利用可否・診断に反映 |